日本補完代替医療学会 ホーム - お問合せ - サイトマップ - English 
補完代替医療とは学会紹介学識医制度書籍リンク集
TOP
会長あいさつ
演題申込手順
演題申込フォーム
申込み終了

第19回 日本補完代替医療学会学術集会開催にあたって

 平成28年11月26日(土),27日(日)の両日,昨年に続きここ金沢の地で第19回日本補完代替医療学会学術集会を開催することになりました。開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。

 10年前に薬学教育が6年制に移行して以来,私が勤務する大学では「代替医療入門」(現在は「補完代替医療入門」に名称変更)という講義が開講されています。地域医療における住民サービスでその役割が益々期待されている薬剤師にとって,補完代替医療の現状を正しく理解することが必要不可欠であることから,新たな科目として設けられました。同講義の中で,この医療の歴史的背景について米国がたどって来た道のりを紹介する機会があります。同国では,補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine:CAM)アプローチに関する研究・教育を積極的に進める公的な機関として,これまで国立補完代替医療センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine:NCCAM)が重要な役割を果たしてきました。2014年12月17日にこのセンターの名称を国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)に変更することが発表されました。これは,同センターにおける研究の方向性が通常医療に代わる「代替医療」から,通常医療と一緒に用いる「補完医療」に大きく方向転換したことを意味します。わが国では,2012年度におこなわれた厚生労働省の『「統合医療」のあり方に関する検討会』において,「統合医療」を「近代西洋医学を前提として,これに相補(補完)・代替療法や伝統医学等を組み合わせて更にQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる医療であり,医師主導で行うものであって,場合により多職種が協働して行うもの」と定義づけています。補完代替医療に関する研究成果を含めた様々な科学的情報が,これから国内でも急速に増していくと考えられますが,米国の動きは,今後我々がこの医療とどのように向き合うべきか,一つのヒントを提供してくれているのかもしれません。

 本学術集会は,補完代替医療で利用される素材や手技・手法に関する現状から有効性や安全性,更にはその作用メカニズムについて,基礎,臨床を問わず科学的な議論を展開する貴重な場であります。先述のとおり米国において導き出された一つの方向性は,国家を挙げて推進してきた20年近くの当該医療分野における科学的裏付けの蓄積に基づくものです。本会のメインテーマを「CAMの科学的エビデンス−基礎から臨床への橋渡し−」とさせていただき,参加者の皆様と活発な議論が展開できることを願っております。わが国における補完代替医療の発展に少しでも寄与できる有意義な学術集会となれば幸いです。

第19回日本補完代替医療学会学術集会
会長 光本 泰秀

   
↑ページ先頭へ戻る